おつきあいを深め、「結婚してください」「お願いします」までは、二人きりの世界で何のルールにしばられることもなく進められるのに、いざ決まるととたんに周りの人たちの意見が入り、二人のことなのに二人だけでは事を進められないのが「結婚」です。結婚は家と家とをつなぐ大切なイベントだと考えれば、しかたないのかもしれません。少し前までは両家の間を取り持つために、仲人を立てるのが一般的でした。しかし、時代とともに結婚のスタイルも変わり、仲人を立てるカップルが少なくなりました。「結納」も形式張ったものではなく、もう少し堅苦しくない「食事会」という形に変わりつつあります。もちろんそれでうまくいくのが一番です。初めてのことだらけ、聞きたくても聞けないことだらけで、よくわからないまま、思わぬことで相手の気分を害してしまうことだけは避けたいものです。
家によっても、地域によっても考え方はさまざまで、正解がないのがお食事会ですが、今回は結納相談も承るSTORIAでよく耳にする「お食事会ある!ある!」をお伝えすることで、特に男性側の方がほんの少し気遣うとよいポイントをお伝えしたいと思います。

《目次》
1. お食事会ある!ある!
2. 「ある!ある!」から見える2つのおすすめポイント
3. 今回のまとめ

お食事会ある!ある!

《女性側の不満》

・男の人側から「結納とか堅苦しいことはやめて簡単にしましょう」って言われたんだけど、失礼しちゃうわ。うちの娘は犬や猫の子じゃないのよ。簡単にもらってもらっては困ります。でも、そんなこと言えないしねぇ。がっかりだわ。
・「結納金はいりません」って言ったのは確かだけど、だからって「何もなくていいです」とは言ってないのよ。今どき家族全員分のお土産を持ってきてほしいとも思わないけど、男性側が手ぶらで本当に食事だけしに来たのは驚いたわ。
・娘が「婚約指輪はいらない」って断っちゃったみたいなの。でも、結婚するときぐらいしかダイヤモンドなんて買えないんだから、そこは向こうの両親に「そうは言ってもちゃんと婚約指輪は買ってあげなさい」と言ってもらいたかったわ。
・婚約指輪はどうもいただいているらしいけど見せてもくれないから、どんなのをもらったのかは知らないわ。

《女性側の感謝》

・「結納は堅苦しいから食事会でいいわ」って伝えたんだけど、相手の親が立派な方だから、祝い酒と指輪と結納金だけはきちんと用意してきてくれたの。
・結納金のかわりにと言って、相手側のご両親から娘にダイヤモンドのネックレスをプレゼントされたの。なんだかとても大事にされていることがわかって、安心したわ。
・彼が「親にもきちんとお披露目すべきだ」って言ってくれたらしくて、食事会のときにあらためて婚約指輪をもらったんだけど、けっこう大きなダイヤモンドだったわ。

「ある!ある!」から見える2つのおすすめポイント

女性側は「簡単でいいわ」「いらないわ」と言うかもしれません。でも…その多くは社交辞令なのかもしれませんね。店でいろんな方の話しを聞いていると、心のどこかで「きちんとしてほしい」と思っていることが読み取れます。20年以上大事に育ててきた娘が家を離れ、相手の家に入るのだから、当然と言えば当然の感情でしょう。
この地域でよくある2つのポイントをお伝えします。
①結納または食事会は男性側が主導権を握ったとしても、男性側から「簡単に」ということばは使わない方がよいでしょう。あくまでもお嫁さんをいただく側です。大事なお嬢さんを「簡単に」もらおうとすれば、気持ちよく思わない女性側の親がいることを心にとめて、結納ほどの堅苦しさはないにせよ、「簡単に」ではなく「きちんと」場をもうけることをおすすめします。
また、「結納金」や「家族全員へのプレゼント」にかわって、男性側の親からお嫁さんになる女性にプレゼントを用意する方が増えています。「よろしくね。安心して私たちの家族になってね」という気持ちをこめて、冠婚葬祭で使うアコヤ真珠のネックレスとお念珠のセットやダイヤモンドのネックレスが好まれています。
②せっかく渡した婚約指輪は二人だけの秘密にせず、お食事会の席でお披露目しましょう。
彼女に渡した指輪をいったん返してもらいます。お食事会をするレストランにあらかじめ伝えておけば、きっと小さな台を用意してもらえますので、そこに婚約指輪とダイヤモンドの鑑定書を並べます。親の前で再度、指輪を渡すのはなんだか恥ずかしさもあるでしょうけど、きっとステキな思い出になるとともに、相手のご両親には「この人なら娘をまかせても大丈夫」という安心感を与えることができるでしょう。

今回のまとめ

結婚にまつわるいろいろなことは、一生に一度で、やり直しができません。さまざまなことが簡略化される世の中ですが、相手を思う気持ちをカタチにすることはとても大切です。決して簡略化しすぎることなく、一生心に残るひとときを過ごしてください。