婚約指輪(エンゲージリング)は男性がプロポーズをするときに贈る指輪として知られてはいますが、その意味や由来はあまり知らないまま贈る男性、受け取る女性も多いかもしれません。指輪やそれを交換する意味が生まれたのはエジプトからと言われています。指輪の円形の形は「結婚」を表しています。当時、エジプトで使われていた象形文字で「結婚」を永遠に途切れることがないものとして円で描いたことからです。そしてその意味を重ねて、真実を誓い相手とひとつになることを表現されたということです。婚約指輪(エンゲージリング)の起源は、古代ローマにまでさかのぼると言われています。紀元前1世紀頃は結婚より婚約が重視されていました。紀元前3世紀にはすでに男性が女性に対して婚約の証を贈るという習慣ができていたというから驚きです。

《目次》
1. 婚約指輪(エンゲージリング)のもつ意味
2. 婚約指輪(エンゲージリング)にダイヤモンドが選ばれるワケ
3. 日本で婚約指輪(エンゲージリング)が広まったのはいつからか
4. 今回のまとめ

現在の婚約指輪(エンゲージリング)の意味

現在では大きく分けて3つあります。

【婚約をかたちとしてしめす証】

婚約は婚姻届のように明確な取り交わしはありません。ですから、婚約指輪(エンゲージリング)があると、ふたりが永遠の愛を誓ったことをかたちで表すことができます。

【ふたりの愛、決意の象徴】

婚約指輪(エンゲージリング)があると自分たちは結婚するという気持ちが高まります。日常生活の中でも、ふとした瞬間に指輪を見ると結婚への決意を思い起こし、気持ちがひき締まります。

【ふたりの一生ものの財産】

現在はダイヤモンドの婚約指輪(エンゲージリング)を贈ることがほとんどです。ダイヤモンドはふたりの共有の財産となります。子どもや孫へと受け継いでいくことができるからです。実際に両親や祖父母から受け継いだダイヤモンドを彼女のためにリフォームするお客様もいらっしゃいます。

婚約指輪(エンゲージリング)にダイヤモンドの指輪が選ばれるワケ

ダイヤモンドの指輪が贈られるようになったのは、15世紀にローマ皇帝マクシミリアン1世が公女マリーに結婚を申し込んだ時にダイヤモンドを贈ったことにあやかったものとされています。ドイツのモロルティンガー博士が「不屈の力」「永遠」を意味するダイヤモンドを贈るようにアドバイスをしたことがきっかけだそうです。宝石がついた婚約指輪(エンゲージリング)が出てきた中世に入った頃はルビーやサファイヤなどの宝石が使われていたそうです。
一般の人々の間でダイヤモンドの婚約指輪(エンゲージリング)を贈るようになったのは、もっとずっと後の時代です。1866年に南アフリカでダイヤモンドの鉱山が発見されたことでダイヤモンドが出回り始めてブームになりました。
ダイヤモンドは地球上に存在する天然鉱物の中でも最も硬く丈夫で傷つきにくい宝石です。ふたりの愛がいつまでも傷つかず永遠に続きますようにという願いをこめてダイヤモンドを婚約指輪(エンゲージリング)に選ばれています。

日本で婚約指輪(エンゲージリング)が広まったのはいつからか

日本に婚約指輪(エンゲージリング)を贈る慣習が入ってきたのは明治時代の頃と言われています。その慣習が定着し始めたのは西洋の文化が一般的になった戦後以降で、立て爪タイプのダイヤモンドリングが定番になりだしたのは、ダイヤモンドの輸入が解禁となった高度経済成長期のあたりからです。近年ではデザインが多様性に富んでいます。

今回のまとめ

現在は婚約するから婚約指輪(エンゲージリング)を贈る、結婚するから結婚指輪(マリッジリング)を交換し合う、そういうものであるということは知られています。でもそれが遥か遠い昔からの由来があり意味を知ると、指輪選びやプロポーズの瞬間、それから着け続けていく先ずっと、さらに奥深く感じられるのではないでしょうか。